「喜ばれたい」から始まった ビジョン経営への 道のり

サラリーマン時代に温めた
ある考え

私は10年間技術者として大手企業で働いてきましたが、そこで得た考えからお話したいと思います。質・量ともになかなかにハードな仕事でしたが、昨日までできなかったことができるようになる達成感、ついさっきまで知らなかった世界を知る楽しさ、こういった好奇心や探求心のようなもので日々を満たし、10年が過ぎました。その間、自分が身につけた技術で同僚の役に立てることが年々増え、この培った力の大きさを我ながら頼もしく思ったりしたものです。最初は自分の好奇心や探求心から自分のために仕事をしていましたが、力がつけば自然と周りを援助できるようになり、さらに力がつけばその輪が大きく、事業や社会と広がっていくのだろうと感じました。自分で身につけたものは一生自身の力として使えるだけではなく、周りに自然と還元できるという喜びもついてくるよいものだと知ったのです。
今、日ポリ化工へ来て社長を継ぎ、誰も私の過去は知らないわけですが、身につけたものがみなさんの仕事のバックアップとなった時、それをきっかけに信頼が生まれているのを感じることがあります。以前は鉄を相手に、今は樹脂を相手に、作っているものもお客様も全然違いますが、身につけたものは対象が変わっても価値が減らないということもわかりました。仕事の力を磨き身につけるということは、①一生自分のもので②周りにも自然と役に立つことができ③どこへ行っても活用できる、ということで私は仕事人として力を磨き続けることをみなさんにもお約束したいと思います。

308人のバックアップが
ひとつの経営

私はサラリーマンから社長になり、昔は机を並べる同僚の役に立つことが嬉しかったのですが、今は少し範囲が広がり、308名の同僚の役に立つことを喜びにしています。私がまず役に立ちたいと思い着手したのは「安全活動」です。私は生産管理のプロでもありますので、嫌がられてもここは譲れません。安全を徹底することは一見地味でたいしたことのないように思えるのですが、働く人を守ることは何にも代えがたい最重要事項です。その人たちが安定した作業ができてこそ、品質や効率が上がります。働く人を守って製品の価値を上げ、会社品質を今よりもっと向上させたいと考えています。付け加えて、2022年度より健康経営と社内大学を打ち出しました。何に投資するか？と聞かれたら、やはり「人」に投資しようと思うのです。私の仕事人生のやりがいは、同僚の喜ぶ顔から始まりました。308名の同僚が成長でき、はつらつと毎日を送れるようなバックアップが目下私の仕事です。

役立ちたいと
考えた範囲は広がった

役に立つ範囲は社員だけにとどまらせず、同僚と共にこれから先もっとその範囲を広げられたらと考えています。私たちは60年もの間、世の中にお風呂を提供している専門メーカーですので、お風呂の効能について誰よりもよく研究しています。このお風呂が持つ効能を世の中に知らせ、入浴の効能を体感していただきたい、浴室を健康のためのメンテナンスドックとして使っていただきたい。日本人の入浴習慣を健康習慣として、そのスタイル自体を新たにすることを目論んでいます。

ユニットバスを作って売るだけでなく、入浴にまつわる人々の習慣を創ることとして「新しい風呂文化を創る」というビジョンを定め、まずは100周年にむけてあと40年を走り抜けたいと考えています。大きなビジョンですが、308名の頼もしい仲間となら達成できると確信しています。