BATHVERSE
「湯をめぐらせて、思考する」
五感を揺さぶり、体温を上げる没入体験で
風呂の宇宙へ誘い、対話をもたらす。

「湯に浸かる」を再定義し、風呂の未来を思考する没入型拠点。
BATHVERSEに一歩足を踏み入れると、そこは品川のオフィスビルとは思えない静謐な空間が広がります。建築家・佐野文彦氏による空間構成は、茶室がひとつの世界を表すように、ユニットバスという最小単位(モジュール)を「小部屋」として捉え直した設計。
各ユニットを接続するアルミフレームには、寸分の狂いもない「留め仕上げ」が施されています。この継ぎ目のないシャープなラインが、空間に凛とした緊張感と浮遊感を与え、あたかも「空間全体という浴槽」に浸かっているかのような没入感を生み出しています。 床に敷き詰められた本磨きの黒御影石や、ひとつの塊から削り出したかのような大理石壁の重厚感。それらとディテールに目を向けた際の、精緻な職人技の妙が、上質な没入空間を支えているのです。
風呂を全方位で知る、体験する、没入する。

「訪れた人の体温を0.1度でも上げたい」--中心部の空間では、入浴する感覚を五感すべてで摂取することができます。深尾大樹氏による映像インスタレーションは、湯気や人の気配を複数の映像でレイヤー状に重ね、自己が湯の中に溶け出していく感覚を可視化しています。そこにサウンドアーティスト・清川進也氏による、心拍数をじんわりと上げる「無限音階」の響きが重なります。
周辺の各モジュールには、風呂の歴史、日ポリ化工の歴史、風呂がもたらすウェルビーイング、さらに日ポリ化工のものづくりに迫るドキュメンタリーが配置されています。
紀元前からの風呂の歴史をアニメーションで辿る。今日に至るユニットバスの原型とも言われる、日本初の洗い場付きポータブルユニットバス「2号機」(1964年製)を間近に見ながら、日ポリ化工の挑戦の歴史を知る。さらに、実際に高濃度人工炭酸泉に手を浸し、その血流促進効果をモニターで視覚化する「炭酸泉バーカウンター」など、情報だけでなく、身体感覚に直接訴えかける体験が各所に散りばめられています。
日ポリ化工を支える「ものづくり」。現場の息づかいを映像から理解する。

日ポリ化工がユニークな所以。それは、真摯なものづくりへのアプローチで求められた浴室を具現化するという「再現性」の追求と、それによって結実する「ラグジュアリーな意匠性」。その両者のギャップにあるのかもしれません。
BATHVERSEのために制作されたドキュメンタリー映像では、山添、恵那、小樽と国内3箇所にある自社工場の日常の風景を綴っています。大型プレス機械、ハンドレイアップ成形、浴室部品のアッセンブル工程……。すべての工程に人の手や目が介在しています。五つ星ホテルや超高層レジデンスに収められる豪華な浴室の生産風景としては、一見すると地味で質素に感じられるかもしれません。
しかし、それこそが日ポリ化工のDNA。風呂専業メーカーとして、設計から製造、施工までを一貫して自社で担う。全自動ではなく、人を介在とした生産背景こそが、他が追随できない独創的なデザインを生み出すための価値の源泉になっています。そんな作り手の息づかいや熱意を、工場から遠く離れた東京・品川で感じます。
新しい風呂文化を創る。共に考え、対話する場としてのBATHVERSE。

ユニットバスのショールームという枠を超え、これからの風呂文化をステークホルダーと共に創造する拠点となること、それこそがBATHVERSEの目的です。今後、創業100周年に向けたビジョン構想の中でも「体験・対話・共創・発信」を担う戦略的メディアとして位置づけられていきます。
大阪の「THE FLOW」が入浴の多様性が行き交うカルチャーハブ(交差点)であるならば、この品川のBATHVERSEは、入浴を深掘りし、社会へ問いかけていく思考のステージ。建築家、デザイナー、ビジネスパートナー、そして生活者。多様な視点が飛び交い、対話することで、新たなインサイト(洞察)を発見し、風呂を心身を整える「メンテナンスドック」へと再定義していく。この場所から生まれる対話のすべてが、日ポリ化工の第二創業期を力強く推進していく原動力となります。
このプロジェクトを通じて

『湯に浸かる』という、日本人にとって当たり前すぎて言語化しにくい感覚を、トップクリエイターと共に空間に落とし込む作業は、私たちにとっても自らの事業価値を再発見するプロセスでした。ラグジュアリー物件の浴室を数多く手がけてきた自負を胸に、ここでは単に製品を売るのではなく、私たちの『思想』を共有したい。ここでの対話のひとつひとつが、次の100年を創る種になると思いました。
経営企画
愛田






