ワタリドリ大学
「一生モノのスキルは、誰にも奪われない」
ベテランの暗黙知を解剖し、教材に。
真面目に愉しむ、手作りのアカデミー。

「測る」のではなく、社員のキャリアを「底上げ」する。

「ワタリドリ大学の目的は、単にテストで点数を付けて社員を評価することではありません。一人ひとりがプロとして自律し、スキルを底上げすること。それが、ひいては社員自身の人生の財産になると信じているからです」。ワタリドリ大学の事務局を牽引し、奔走してきた大場(真)は、その本質を語ります。
そして、プロジェクト開始当初からの最大の目標は、この「教育制度」を「人事制度」とリンクさせることでした。学んだことが正当に評価され、個人のキャリアアップに直結する仕組み。それは、日ポリ化工が「一生モノのスキル」を保証する企業であるための誓いでもありました。
試行錯誤を繰り返し、昨年度、ついに教育実績と人事評価を連動させる新人事制度の導入を達成。3年間の積み上げが、名実ともに「会社を支える柱」となった瞬間でした。
「日ポリ化工の知」を解剖する。完全内製へこだわり。

「外部のコンサルに頼る選択肢は、最初からありませんでした。日ポリ化工のディープな専門性は、私たち自身の手でしか言語化できないからです」。
遡ること4年前。大場(真)が最初に着手したのは、河野部長、西岡部長らと共に「特注の難易度」を言語化し、仕分けすることからでした。埋込水栓の設計、複雑な配管経路、納まりの急所……。ベテランの頭の中にだけあった膨大なノウハウを抽出し、「理=なぜそうなるのか」を体系化する作業。
また、入社したての新人でも本質を掴める教材にするため、イラストや写真を駆使し、社内の曖昧なルールを一つひとつ「確かな基準」へと再定義していく、気の遠くなるようなユニットバスに関する「知の解剖」が続けられました。
講師陣の「産みの苦しみ」。隠れて挑んだ猛勉強と、プロの意地。

講師に選ばれたのは、現場の第一線で戦うリーダー層や専門家たち。通常業務が多忙を極める中、教材作成の時間を作るのは至難の業でした。さらに「部下や同僚に内容を察知されてはならない」という極秘任務も加わります。
「当然、受講者が近くにいるロケーションなので、誰にも頼らず、自力でやるしかありませんでした。机にダミーの参考書を置いてカモフラージュしたり、検索履歴がバレないように工夫したり(笑)」。講師陣は笑いながら当時を振り返りますが、その裏には「教える以上、嘘はつけない」というプロの矜持がありました。
曖昧な部分を徹底的に調べ直し、自らも学び直す。その真摯な姿勢が、新卒から50代のベテランまで、知識レベルの異なる80名以上の受講生を納得させる「熱量の宿る分厚い教材」を生み出したのです。
難問さえ、愉しむ。進化するワタリドリ大学、第二章。

ワタリドリ大学が短期間で社内に浸透していった理由は、日ポリ化工らしい遊び心にもあります。河野が手がける「間違い探し(図面テスト)」は、いまやアカデミーの目玉。実務で陥りやすいミスを巧妙に仕込んだ図面を用意し、全員が膝を突き合わせて挑みます。
「社歴20年選手も新人も、同じ図面を囲んであーだこーだと盛り上がる。最後はクタクタになりますが、その一体感こそが共創の原動力になっているんです」。
そして2026年から、ワタリドリ大学はさらなる進化を遂げます。これまでの底上げ期間を経て、より高度な「アドバンスクラス(仮)」や職種別の分科会への細分化。コンテンツの量はさらに増え、講師陣からは「大変や!」という悲鳴も聞こえますが、その表情はどこか明るい。
「スキルは誰にも奪われない」。経営陣が掲げた旗印のもと、日ポリ化工はこれからも、社員一人ひとりの成長を促し続けます。
このプロジェクトを通じて

昨年度、人事制度との連動を実現できたことは一つの大きな達成でした。しかし、制度は作って終わりではありません。習熟度に応じた細分化など、一人ひとりがさらに輝ける場所を整えるための『心地よい緊張感』を、これからも提供し続けたいと思います
経営企画
大場(真)

教える側に立つことで、自分自身が一番勉強させられました。ベテランのプライドと若手の瑞々しい感性がぶつかり合うワタリドリ大学は、まさに日ポリ化工の『文化』そのもの。次はより高度なクラスで、難攻不落の図面をみんなで攻略したいですね
企画設計
河野







